残り30秒!残っているのは最後の5レップのオーバーヘッドスクワットです!
そこで、あなたはペースを上げ始めました!
この残りの5レップを完了できれば、昨年の自己記録を更新できる!
心拍数が上がってきて、脚も疲労で震え始めています!
あなたにはできますか?
右の方を向くと、あなたの隣の女性が一生懸命最後までやり遂げました!
そうです!
もちろん、あなたにもできるのです!
コーチの終了時間を知らせる「サン、ニー、イチ...」の掛け声が聞こえています。
その声と共に最後のオーバーヘッドスクワットをやり遂げ、終了時間と同時にバーベルを床に下ろす...
これこそがスポーツです!
CrossFitは「フィットネススポーツ」と呼ばれ、その言葉から、あなたはCrossFit競技を代表するティア・クレア トゥーミー選手やマット・フレイザー選手のようなアスリートを思い浮かべるかもしれません。
しかし、「フィットネススポーツ」とは、CrossFitゲームズの開催会場での競技だけを意味している訳ではありません。
それは、世界中のCrossFitアフィリエイトジム内で毎日実施されている普段のワークアウトの中でも、常に行われていることなのです。
そして、それをしているのは、CrossFitゲームズの選手と同じように「常に自分自身を向上させよう」という前向きな気持ちを持った人たちなのです。
CrossFitをする理由は、人それぞれです。
カッコいい体型になりたい...
80歳になっても健康で、孫を保育園に迎えに行けるようでありたい...
またはCrossFitゲームズで優勝して、「地球上で最も高いフィットネスレベルを有する者」という称号を手に入れたいなど様々です。
トゥーミー選手は、とっても重いウエイトを背負ってプッシュアップや、重いバーベルを使ってスクワットをするかもしれません。
また、91歳のジョアンさんは、高い位置に設置されたバーベルに手を置いてプッシュアップや、ベンチから立ち上がるだけもスクワットをしているかもしれません。
しかし、「自分に挑戦する」という「競技心」に変わりはありません。
つまり、競技心とは、勇気と努力を大切にする精神なのです。
CrossFitの創始者であるグレッグ・グラスマン氏はかつて記事の中で、「元来、人間とは競争者である。人生とは適者生存であり、最も適応力のある者が有利になる。そして、人々はポイントのために命をかける」と言いました。
CrossFitの成果は、測定、観察、再現可能であるため、アスリートは自分のワークアウトのスコアを記録し、仕事遂行能力の基準値を目安にすることで、自分のフィットネスレベルがどのような方向に進んでいるのか知ることができます。
ワークアウトの時間、それに使用した負荷、動作のレップ数を記録することで、ワークアウトやリフティング動作を毎回実施する際に、経験を積む中でどれだけ自分のフィットネスレベルが向上したかを確認することができます。
そして、私たちは、ワークアウトの結果をホワイトボードに書き込みます。
しかし、それが最も大切なのではありません。最も大切なのは、アカウンタビリティ(自分自身がしていることに責任を持つこと)です。
バーベルの負荷を増やすたびに.. または動作を1回するたびに「もうやめたい..」と思うかもしれません。
しかし、自分がすると決めたことに責任を持ち、昨日よりも「よりフィット」に、そして「より良い自分」になるために勇気を持って努力することなのです。それは、自分自身と競技するということなのです。
CrossFitを始める時は、誰もがまず正しい動作方法を学ぶことから始めます。
レベル1トレーニングガイドでは、「正しく動作を習得するための方法」と説明されています。
正しい動作の学習から始めることで、アスリートとしての強い土台を築くことができます。その土台ができ上がると、正しい動作を一貫して維持する能力が試されます。
そして、一貫して正しい動作が実施できるようになったら、最後に運動強度を高めていきます。
このように、「正しい動作」、「一貫性」、そして「運動強度」と段階的に動作を習得していくことで、安全かつ効果的に、そして効率的にフィットネスレベルを長期的に向上させることができるのです。
ここで理解したいのは、CrossFitプログラムを効果的に機能させるためには、これら3つのすべての要素が必要であり、最後の運動強度なしに効果的に成果を上げることができないと言う点です。
もちろん、運動強度とは、すべての人にとって同じではありません。
それは、その人の肉体的・心理的な許容範囲に基づいたものであり相対的です。
しかし、その人にとって「挑戦」がともなうのは事実です。そして、それを「キツい!」感じることも隠すことのできない事実です。そして、「キツい!」と感じることをするにはモチベーション、すなわち「やる気」が大切です。
そのやる気はどこから来るのでしょうか?
それが、コミュニティであり、みんなで一緒に運動する中で生まれる「競技性」なのです。
「スポーツやゲームが生み出す自然な仲間意識、競争心、楽しさを活用することで、他の方法では達成することのできないレベルでの運動強度を達成することができる。」とグラスマン氏はかつて述べました。
グループクラス内での競争性は、参加者にやる気を与え、彼らの努力を増大させます。
あなたが自分の家の車庫で、一人でCrossFitのワークアウトをするのと、グループクラス内であなた以外の12人のアスリートと一緒にするのを比べてみて下さい。
一人でしている時に、制限時間の最後の2秒でプルアップをもう1レップしますか?
呼吸するのも、立っているのも大変な時に、メディスンボールを床から拾い上げて、最後の1回のウォールボールをしますか?
グラスマン氏は、「人間は、他者の存在があるからこそ、より大きな努力を引き出すことができる」と言いました。
CrossFitで教育部門のディレクターを務めるサラ・ホッピング・エストレラ氏は以下のように記事で述べています。
「競技の世界では、アスリートがより素早くプルアップができること、休憩を取ることなくラウンドを完了できること、最終ラウンドでスピードアップできることなどの発見をすることが良くあります。このような発見が起こる度に、アスリートのトレーニングに対する気持ちが成長し、継続的により良い成果を手に入れることができます」
モチベーションを上げてくれる人がいないと、あなたのフィットネスレベルは平坦になってしまいがちです。
しかし、あなたがクラスに来ることをコーチが期待している時、あなた自身が自己記録の更新を目標にしている時、グループクラス参加者全員があなたの最後の10レップを一緒に数えてくれている時に、その期待に答えないという選択をするのは難しいです。
やめることは難しいのです。
競争性は、私たちが自分に与えた「挑戦」をやり遂げるために必要な忍耐強さを与えてくれるのです。
CrossFitの競技性がとても良く表現されているのが、毎年開催されているフィットネスの
祭典であるCrossFitゲームズオープン大会です。
オープン大会は、世界中のCrossFitアフィリエイトジムで開催される3週間に渡る競技大会です。自分自身の過去の成績や自分が通うアフィリエイトジムの他のメンバー、または世界中のアスリートと競技することで、自分のフィットネスレベルをテストすることができます。
そして、この大会は14歳以上であれば誰でも参加することができるのです。
そして、大切なのは、このオープン大会は、14歳以上であれば誰もが一生涯に渡って毎年参加することができるスポーツ大会でもあるということです。
世界中の他のCrossFitアスリートと競技することを目指すアスリートにとって、CrossFit
ゲームズはフィットネスレベルを証明するためのテストとして世界的に有名です。
「地球上で最もフィットネスレベルが高い者たち(Fittest on EarthTM)」を決定する究極の大会として知られています。
男子、女子、アダプティブ(障害者)アスリート、そして14歳〜65歳以上の幅広い年齢層の人々に、フィットネスというスポーツで、正式に競技するための機会が与えられます。
オープン大会は、CrossFitゲームズの最初の予選ステージです。その後、準々決勝、準決勝とアスリートが絞られ、最終的には、本戦であるCrossFitゲームズでフィットネスレベルが試され、地球上で最も高い身体能力を持つ者たちが決定されます。
しかし、競技としてのCrossFitは、ゲームズ会場だけにとどまりません。
あなたが通うジムや自宅のガレージであっても、運動できる場所とタイマーさえあればどこでも、「生涯を通してのフィットネスの向上と維持」を目標に自分自身と競技することができます。
なぜなら、CrossFitはあなたにとって単なるスポーツだけではなく、一生涯継続すること
のできるフィットネススポーツだからです。
原文:https://games.crossfit.com/article/magic-crossfit-a-sport-for-life